無意識のくいしばりも意識して改善できる!!
クレンチングをやめるための訓練法

  団体旅行した時など、同室になった人にいびきや、歯ぎしりを指摘された経験はありませんか。起きている時に、その音を鳴らしてみようといくら噛んでも、音がするほど強くは噛めません。「火事場のばか力」という言葉がありますが、歯ぎしりする時のような力は通 常は出ないように無意識に制限されているようです。ということは、歯ぎしりの力は、起きている時に思い切り噛む力より大きく、そのカは歯と歯周組織の許容限界を越えるとも考えられます。歯をずらさずにくいしばるクレンチング(無意識のくいしばり)も同様です。クレンチングや歯ぎしりの強さも日によって異なることが研究で明らかにされました。どのような時に強くなるかというと、心配事があったり、疲労した時などです。つまり、ストレスを受けた時です。

ストレスを受けると、無意識にクレンチングをするようになり、歯と歯周組織に耐えらないほどの大きな圧力がかかります。歯の痛みや、歯の揺れが気になる時、原因は無意識に行うクレンチングの疑いがあります。クレンチングする筋肉は、本来、内臓の筋肉と違い、自分の意志でコントロールできますが、意志に無関係に緊張するようになってしまった場合、訓練が必要になります。以下にその訓練法を挙げました。

(1)は特に頭の隅においておくといいでしょう。(2)(3)も何かの折に行うようにしたらいいと思います。(4)は真剣に取り組まないと習得できない方法ですが、できるようになれば効果 は高く、全身的な問題も解決できるかもしれません。興味のある方は取り組んでみてください。

<クレンチングをやめるための訓練法>
(1)「唇を閉じて上下の歯が接触しない状態を保つ」を常に思い起こし、実行する(Lip close, tooth apart)
(2) ストレッチ運動をする。筋肉をリラックスさせるよう、力を抜いて筋肉をほぐすように伸ばす。首や手足、腰 の筋肉もやってみるとよい。
(3) 手を思い切り上に伸ばして緊張させてから一気に脱力させる。肩を上に上げられるだけ上げて、一気に力を抜く。筋肉を緊張させてから一気にカを抜くことにより、筋肉が脱力する感覚を体得する。
(4)自律訓練法を習得する〔シュルツ氏法〕

<自律訓練法の手順>
(1)薄暗い静かな部屋でくつろいだ姿勢をとる。
(2) ゆっくりと4〜5回、腹式呼吸をして気持ちを集中させる。「気持ちが落ちついている」この言葉を心の中で4〜5回、ゆっくり繰り返す。
(3) 右手(利き手)に意識を集中させて「重くダラーッとした感じがする」と心の中で唱える。続いて、左手、右足、左足と同じ言葉を唱える。
(4) ゆっくりと4〜5回、腹式呼吸をして気持ちを集中させる。「気持ちが落ちついている」この言葉を心の中で4〜5回、ゆっくり繰り返す。
(5) 右手(利き手)に意識を集中させて、今度は「右手が温かくなる」と心の中で唱える。続いて、左手、右足、左足と同じ言葉を唱える。
(6) ゆっくりと4〜5回、腹式呼吸をして気持ちを集中させる。「気持ちが落ちついている」この言葉を心の中で4〜5回、ゆっくり繰り返す。
(7) そのまま眠りにつく時以外は、大きなのびをして気分を現実に戻す。
毎日(1)〜(7)を2〜3回(1回当たり約5分)続ければ、2〜4カ月で習得できるようになるでしょう。

参考文献・歯のトラブル知らずになる本 中村輝夫著 山海堂刊
・単なる疑問。エンサイクロネット著 アルファベータブックス刊 ・口を大きくあけて 歯の学校はこちらです 講談社刊